『離婚を考え直せないか』…そう夫から言われ、私は答えを濁し「複雑な気持ちだよ」とだけ伝えました。夫の精神状態が安定していないことを考えると、ここで「イエス」「ノー」どちらで返事をしても夫の心のメーターが振り切れてしまうのが怖かったのもあります。また実際に私の気持ちは複雑でした。(もう振り回されるのはゴメンだ)(やっと夫の面倒から解放される!と思っていたのに)(子どもたちのためにはもう少し夫婦でいるべきだろうか)(でも、子どもたちが成人したらやりたいことをたくさんやるんだ!と描いていた夢が消えていく…)すぐに「イエス」「ノー」で答えられる話ではありませんでした。いずれにしても、二男(中2)の高校受験・進学が済むまでは離婚は保留とお互い合意しているので、焦って結論を出す必要もないことでした。
ただ、X美への慰謝料請求は別。弁護士先生は『2年後に慰謝料請求するくらいなら、現段階で踏み切るべき』とのことで、私もそれには同意でした。もちろん、慰謝料請求の話は夫へは明かさず、突然X美へ内容証明を送る算段で弁護士先生と話を進めていました。
- 家庭を壊したこと
- 私に精神的苦痛を与えたこと
- それにより、その間仕事ができず発生した金銭的な損害
これらへの賠償を慰謝料請求で果たしたいというのが私の心情でした。慰謝料請求するにあたり、とにかくすべてにおいて証拠や根拠が必要で、それぞれについて
- 夫とX美のLINEのトーク写真・夫の不倫告白のボイスレコーダー・夫に書かせた一筆
- 私の精神科の受診履歴(領収書)と診断書・お薬手帳の写し
- 本来得られたであろう収入の根拠と実際に仕事ができなかった期間の証明
などを準備しました。自営業で収入の安定しない私には3.が一番ハードルが高く、しかも金額としてはさほど大きくはないものでした。ただ、心情的には”不倫によって奪われたもの”として大きなウェイトを占めており、どうしても盛り込みたい内容でした。幸い弁護士先生は私の心情を汲んでくださり、立証するための資料を揃えることに丁寧に対応してくださりました。本当に感謝しています。
X美への慰謝料請求に再始動してから2週間ほどで資料が揃い、弁護士先生と内容証明の文書について打ち合わせの機会を持ちました。そこで先生から提案されたのはX美へ慰謝料として300万円を請求するというものでした。離婚していない状態で不倫による慰謝料請求としては高めの金額だと思います。ただ、16年という結婚期間、子どもが複数いること、夫の自殺未遂や私のうつ病の原因となったこと…これらを理由に『一番高い球を投げて相手の反応を見ましょう』となりました。いよいよX美へ慰謝料請求の内容証明の送付です。
余談ですが、このとき、慰謝料請求の準備と同時に自営の仕事・公営住宅への引っ越し準備を進めていて、本当に落ち着かない日々を過ごしていました。一時よりは精神的に安定してきたとはいえ、よくこなしていたものだと今振り返って思います。
慰謝料請求はとにかく証拠などの資料の準備が大変です。まずは証拠のを残しておくこと、そしてそれらを揃えてまとめる作業が必要です。これにとてもエネルギーを使います。これから慰謝料請求を考えている方は、心身が弱りきっているときよりも少しでも回復したときに動き出すことをおすすめします。
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