頭を下げてきた夫

その日も相変わらず精神状態が良くなかったので、夕飯を作り終えたあとクーラーの効いた部屋でソファに横になっていました。そのまま眠ってしまっていたんだと思います。そこへ夫が帰ってきて私の傍らで膝をついてこう言ってきました。『X美と別れてきた』と。夫の言い分を聞くと、

『このままではohaguiがダメになってしまう。ohaguiはこの家庭にとって必要な人だから』
『せめてohaguiが元気になるまでは支えさせてくれ』

でも、

『相手女性を嫌いになって別れたわけじゃない』
『相手女性への法的手段はやめてくれ』

まあ、これはそうなるだろうなと思います。不倫開始から三ヶ月弱、直前まで『好き好き』『愛してる』と盛り上がっていた相手ですからね。つまり、夫は私とX美を天秤にかけた結果、”ohagui(私)には母親として健康でいてもらわないと困るけれど、気持ちはX美にあるよ”という宣言ですよね。思い返すとけっこうひどいこと言われています。

そして、相変わらずX美とLINEは続いているようでした(通知がスマホ画面にバーンと出るんです。詰めが甘いですよね)。しかも内容が『お風呂入ってくるね!』ですからね。さすがにそれは夫に苦言を呈し、それまでのLINEのやりとりを見せてもらいました。内容は悲劇のロミオとジュリエットで『会えなくて苦しい死にたい』の応酬でした。これが私が今までの半生を共にした夫の姿だと思うと本当に情けなくなります。

そして、LINEからわかったことがいくつかありました。X美が職場の別の男性とも性的関係を持ったこと(X美の言い分では『強要された』らしい)、その男性も夫とX美の不倫関係を知っているということ。これで夫の職場で夫の不倫を知っている人間は少なくとも二人いることになります。

(なんて風紀の乱れた職場なんだ)というのが私の印象でしたが、主治医の精神科医に現状を話したときに『X美がひっかき回してるだけだよね』と言われました。確かに、すべてにX美が関わっているんですよね。

私としては夫の『別れてきた』という言葉を信じたい反面、もう夫婦としてやり直すのは無理だという気持ちは変わらずあったので複雑でした。ただ、(今相手を無駄に刺激することは得策ではない)と考え、弁護士先生へ現在の状況をお伝えするとともに、進めていたX美への慰謝料請求を一旦保留とすることにしました。

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