X美の妊娠、その後

私と夫との話し合いは深夜に及びました。時間が遅かったので迷いましたが、慰謝料請求のやりとりのさなかということもあり弁護士先生へX美の妊娠について知らせるメールを送りました。

夫の再びの裏切り、夫が完全にX美の味方についていること、X美の妊娠、という事実は私に大きなダメージを与えました。中でも『X美へ慰謝料請求するのはやり方が汚い』という発言は本当に許しがたく、これについては翌日泣きながら謝罪を要求し、夫からは『言葉が過ぎた。申し訳なかった』と一応謝罪を受けました。不倫し相手女性が妊娠するような事態になっているのに、妻に対して『やり方が汚い』…夫はどれだけ”汚くない”のでしょうね。

夫へはX美のエコー写真と、同じ日付の病院の領収書の写真がほしいと伝えました。妊娠が本当であるか確認したかったことと、本当であるならば証拠として持っておきたかったからです。これはスマホで撮ったものを送ってもらいましたが、もちろん後者の理由は話していません。

そして、夫に両親へ相手女性が妊娠していることを報告するよう言いました。産まれるとなれば孫が一人増えることになり、相続などで必ず親族が巻き込まれることになるのであらかじめ知らせる必要があるからと考えたからです。翌日、夫は実家(近所にある)へ行きましたが、今になって思うと相手女性の妊娠の件含めヨリを戻していたことなど両親へはまったく話していなかったのではと思います。逆にもし話していたのならば、夫の両親はそのうえでよく私に離婚を思いとどまれと言えたものだなと思いますが…それはまたいずれ。

しかし、X美の妊娠暴露からわずか三日後に事態が急転しました。仕事中の夫から『帰りにX美の家に寄って中絶の同意書を書いてくるから』と連絡が来たのです。X美は実家住まいですので、本当に家に行ったのならばX美の両親からも何か言われたのではないでしょうか。この同意書についてもスマホで撮ったものを送ってもらい記入したことは確認しました。それによると初期中絶が可能なギリギリの週数だったようです(中期中絶になると死産届が必要になり、身体も費用も負担が大きい)。どうも、妊娠を確認した病院とは別のすぐに中絶対応可能な病院へかかったようで、X美にとっても急いだ決断だったことが伺えました。

結果的にX美は中絶しました。中絶費用の十数万円は夫が払いましたが、夫個人の貯金はなく毎月の小遣いも使い切ってしまっている状態だったので、家計から夫へ貸す形で渡し毎月返してもらうことになりました。

私も相手方(X美)も非常に不安定な状況ではありましたが、並行して慰謝料請求についても徐々に話を進めていました。
ここまでで夫の不倫発覚からちょうど半年。今まで平穏だった結婚生活16年は幻だったのかと思うほどの衝撃の連続でした。

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